通信制大学院 再入学を志す

 通信制大学院に入って6年。在籍期限を迎えてしまった。
 
 2017年に入学してから1年の休学を挟んでの6年間は、濃厚で、刺激的で、何物にも代えがたい経験ができた時間であり、通信制大学院という場所は、人生ではじめて、人として成長する機会をもたらしてくれた場であった。そんな素晴らしい場であるのにも関わらず、そもそもの計画性のなさと、続くコロナ禍など様々な問題をクリアできず、在籍期限が来てしまったのは、まさに自分の不徳の致すところだ。

 2-3年という理想の期間で、特定課題研究を終えて修士号を取得される方は、本当にすごい。通学の場合は当たり前なのだが、通信制の場合は、ほとんどの方が働きながらの在籍で、時間のやりくりが本当に大変だろう。聞くところによると修了までに3-4年かかるケースが多いようだ。講義の日に、昼休みもパンをかじりながら、ずっと資料とPCに向き合っている姿を見かけるが、時間をつくるには、そのくらいして当然なんだろう。

 また全員が修了というわけではなく、退学する方も多い。実際に、年度が進む毎に「今年で退学する」「別の道を行く」と言う声が増える。人生は長いようで短い。40代はもちろん、50代60代もまだまだ若いが、もし別の道をいくならなるだけ早いほうがよいと思う。寂しいが、またご縁があれば会えるので、応援したい。

 そして私のように在籍期限を迎えてしまったら、そのまま「除籍」となるケースが多いが、本当に稀に「再入学する・した」という話を聞く。再入学には書類と在籍時の修学状況が加味されての選考があるが、改めて院試を受験することに比べたら、なんともありがたい救済制度である。

 私も、もちろん出願した。残っているのは選択科目1科目と、特定課題研究だけなので、再入学して1年、腰を据えて取り組みたいと思っている。

 そもそも通信制大学院に入学を志したのは、仕事関連の知見を深めたいと思ったことと、個人的にも興味関心があることを、じっくり深く学びたかったからだ。急いで読んで書くのではなく、在籍期限6年をめいっぱい使って、学べるだけ学びたいと思い入学した。計画性のなさから、修了には1年たりなくなってしまったが、再入学出来たあかつきには、特定課題研究を思う存分楽しみたい。

 いまはただ、4月から再び在籍できるように、選考結果を待つのみである。